全力で走り回るような激しい運動だと、転んでけがする危険性があります。一方でグランドゴルフなら、のんびり楽しみながら汗を流すことが可能です。対戦形式のスポーツなので、他の参加者と競い合いながら楽しめるのも魅力といえるでしょう。グランドゴルフなら楽しみながら歩けるので、自然とウォーキングの効果も得られます。
グランドゴルフとは
シニア世代に人気があるグランドゴルフ。開放的なグランドで年齢に関係なく楽しめるスポーツです。
昭和57年に考案されたスポーツで、生涯通して楽しめるように考案されているため、子どもから大人までプレイできるのが特徴です。ルールも簡単で、高度な技術がなくてもプレイできるようになっていて、初心者でもとても楽しくプレイできます。プレイ中、全員が明るい笑顔と歓声に包まれて楽しむことができるスポーツです。
少ない打順でホールポストに入れる(「トマリ」といいます)ことを競います。
グランドゴルフの健康効果
グランドゴルフをプレイすることで、意外にもかなり歩くことになります。グランドゴルフを2ラウンドした場合の消費カロリーは232kcal程度。この数字はウォーキング1時間のエネルギー消費量に相当します。
プレイを楽しみながら、歩けるので自然とカロリーも消費できます。芝や土の上を歩くことで関節への負担が少なく、足腰を鍛えられることで運動能力のアップにつながります。有酸素運動になるので、血圧や血糖値など血液成分にも良好な変化が期待できるでしょう。
グランドゴルフの魅力
幅広い世代で愛されるグランドゴルフの魅力について紹介します。
コミュニケーションを楽しめる
グランドゴルフはシニアスポーツとして大変人気のあるスポーツです。その理由は多くのコミュニケーションが取れるからでしょう。普段は接点がないような方ともグランドゴルフがきっかけで仲良くなれます。人と接する機会が少なくなる高齢者の方たちにとって、人と関われる機会が持てるのは、精神的にもよい影響があるでしょう。
身近な場所で楽しめる
グランドゴルフは通常のゴルフのように広大な土地は必要ありません。公園や運動場、河川敷など様々な場所で楽しめるスポーツです。規格化されたコースは必要がなく、プレイヤー同士で自由にコースを作れるのも魅力の一つです。
年齢関係なく楽しめる
バレーやバドミントン、バスケットボール、野球、サッカーなどのスポーツは、それなりの体力が必要ですし、ケガをしてしまう恐れもあります。グランドゴルフもある程度、体力は必要ですが、他のスポーツに比べて体力や年齢による制限が少ないので、年齢を重ねても十分に楽しめるスポーツといえるでしょう。
高度な技術が必要ない
通常のゴルフだと状況に合わせてたくさんのクラブを使い分ける必要があります。グランドゴルフではこのような高度な技術は必要ありません。もちろん、プレイを何度も続けていれば技術的な向上が見込めますが、初心者でも十分に楽しめます。グランドゴルフの目的は仲間とコミュニケーションを行いながら取り組むことです。
グランドゴルフのルール
グランドゴルフのルールはとても簡単です。まず、スタートマットというボールを置くゴムマットから1打目を始めます。旗のついているホールポストにボールが入るまでの打数を数えて、その打数が少ないほうが勝ちです。
もし、1打目でホールポストに入った場合、ホールインワンとなり、全ホールの合計打点からマイナス3点として集計されます。集計したスコアを成績として、他のプレイヤーと競います。
禁止事項の罰則について
下記の禁止事項を行うと1打付加する罰則となります。
- ゲーム中の打球練習
- 打つとき足場に板を敷いたり、人に支えてもらったりするなど、物的・人的な援助やアドバイス、あるいは風雨からの防護を求めたり、受けたりしてプレイしてはいけない
- 打ったボールが長い草や木の茂みに入った場合、自分のボールであるか確かめる場合に限り、触れることができる。プレイする際、草を刈ったり、木の枝を折ってプレイしてはいけない
- ボールを打つとき、押し出したり、かき寄せてはいけない。ただし、空振りは打数に数えない
グランドゴルフのコースについて
コースは8コースが標準で、これを2回から4回ラウンドします。プレイできる時間に応じてホールポスト数を決めれば、何分でも何時間でも楽しむことが可能。第1打は決められた順序で1人ずつがスタートマットに専用ボールを乗せて打ちます。
コースは運動場、学校の校庭、広場、河川敷、公園、体育館などでプレイ可能です。また、土、砂、芝生、雑草地なども問いません。コースの広さや起伏、池があってもコースを設けることができます。そういった変化のあるコースのほうがさらに楽しめるでしょう。公共施設としてグランドゴルフコースが全国に多数存在します。
グランドゴルフをプレイするのに必要な道具
個人の場合、クラブ、ボール、マーカー、動きやすい服装、手袋、スコアカード、鉛筆などです。
グランドゴルフのエチケット
次プレイヤーの邪魔をしない
自分のプレイが終わったら、速やかに次のプレイヤーの邪魔にならない場所に移動しましょう。また、トマリしたボールは、次のプレイヤーの邪魔にならないようにすぐに取り除くようにしてください。これを怠ってしまうと次プレイヤーだけではなく、グループにも迷惑をかけてしまいます。
よくあるシーンが、打球後、スコア表を記入したり、プレイに関する相談で夢中になってしまうという光景です。グランドゴルフのプレイ中は注意しましょう。
同伴プレイヤーの邪魔や、前を行くプレイヤーが終わる前にプレイしない
同伴プレイヤーの邪魔は進行を妨げないようにしましょう。グランドゴルフの魅力の一つとしてコミュニケーションを取りながらプレイできることですが、ボールを打つ前は誰でも集中しているはずです。静かにすることを心がけてください。
そして、前の組がボールポスト付近でプレイしている場合、打球事故を防ぐため、終わるのを待つようにしましょう。
会場やクラブセットを大切にする
楽しく安全にプレイするなら、会場やクラブセットを大切に扱うようにしましょう。グランドゴルフのプレイ中、起こりがちなのが上手くいかずクラブを叩きつける行為です。コースに穴や溝ができてしまいますし、クラブを傷めてしまうので、イライラしているからといって物に当たるのはエチケット違反です。
また、雨でグランドコンディションが良くないときは、足跡が残ってしまうことがあります。仕方ないことですが、そのままにしてはいけません。自分の残した溝や穴によって、次プレイするグループが影響を受けないように、コースを整えてから次へ進むようにしましょう。
安全にプレイする
打撃プレイヤーが近くにいる場合、スイングした際、クラブが当たってしまう恐れがあります。プレイ中はお互いに注しましょう。
プレイ中発生するかもしれないハプニング
グランドゴルフは自由度の高いスポーツなので、プレイヤー同士で相談して楽しみながらプレイすることができます。しかし、プレイ中想定していなかったことが起こることも。こんなときどうすればいいのかご紹介します。
無意識にクラブがボールに当たったら
打つつもりはなくても、無意識的にクラブがボールに当たってしまった場合、打ち直しはできず、1打としてカウントされます。ただし、空振りした場合は何度でも打ち直し可能です。
間違えて他人のボールを打ってしまったら
自分のボールと他人のボールを間違えて打ってしまった場合、ボールの持ち主が元の場所に移動すればペナルティはありません。
子どもや犬がボールを移動させたら
グランドゴルフは公園や運動場などで楽しむスポーツなので、他にも遊びに来ている子どもたちや散歩中の犬もいます。そのため、子どもや犬がボールを移動させてしまう場合もあったりします。そんなときは人為的な行為でボールが動いたと見なされるため、元の位置に戻してプレイ可能です。しかし、風や地面の傾斜など自然の影響で動いたボールは元に戻すことはできません。従って、風で流れてホールポストに入った場合、トマリになります。
ホールに近い位置なら続けて打っていい?
基本的に順番に1打ずつ打っていくのがグランドゴルフのルールですが、ホールとの距離がクラブヘッドほどの長さになった場合、続けて打つことができます。エチケットとして、他のプレイヤーに先に打つことを申告しましょう。
障害物を取り除いてはダメ
基本的にどのままの状態でプレイしなければなりません。コース上に石や木の枝などがある場合、取り除くのはNGです。もしも取り除いた場合、1打罰のペナルティが課せられます。ただし、前のプレイヤーがスタートマット直前に掘れた穴を戻さず先に行ってしまった場合は、プレイヤーの判断で穴を埋めることができます。
ボールがホールポストの庭円に止まった場合はトマリになる?
ボールが庭円の真上、またはそれより内に止まった場合トマリになります。
ゲートボールとグランドゴルフの違い
ゲートボールは5人1組の2チーム対向で行われる団体競技、グランドゴルフは一人でもできる個人競技という違いがありますが、どちらも日本で生まれたスポーツです。
最近グランドゴルフをする人が増えているのは、シニア世代でも個人主義が浸透していることが関係しています。ゲートボールの場合、自分のミスがチームの勝敗に影響するため、楽しめなくなるそうです。また、ゲートボール=高齢者のスポーツという固定観念も作用し、元気な高齢者から敬遠されたことも要因のようです。
グランドゴルフとパークゴルフの違い
パークゴルフとはグランドゴルフと同じようにクラブでボールを打ち、打数を競う競技です。パークゴルフも誰でも楽しめるスポーツですが、専用の道具や用品、コースの距離など違いがあります。